なまえは まだ ない

思いついたことをアウトプットします

某老舗メーカーを退職しました

退職エントリというものを書いてみたかった

エンジニアが転職したら退職エントリというものを書くのが常識らしく、 私もこの度転職することになったので、書いてみようと思います。 とはいえ、前職は円満退職で特にいざこざがあったわけではないので、 前職で学んだこととか、今の思いなどを書き留めることにします。

前職について

どんな会社?

前職は社会インフラを扱う企業や官公庁に対し、ハードウェアやソフトウェアを販売する、所謂B to Bのメーカーです。 2015年に新卒で入ったので、丸4年働きました。 一般の消費者向けにはほとんど製品を販売していないので、街中でよ〜く目を凝らさないと会社名を見かけることもありません。 実際、私も就活をするまで社名すら知りませんでした。

何をしていたの?

サポートエンジニアとして

この会社ではハードウェア販売だけでなく、企業や官公庁の業務システムを設計・開発する、SI事業も行っていました。 私はSI事業で構築するシステムのうち、データバックアップに関する部分の設計・構築をしていました。 また客先で運用しているシステムで発生した障害の解析や、使用しているソフトウェアベンダーとの連携、 社内で使用する解析ツールの開発なんかもしていました。

社内規定などでは単に「技術職」として分類されていましたが、世間的にはサポートエンジニアというものになると思います。

Hadoop/Sparkのエンジニアとして

会社の保有技術として並列分散処理基盤を取り入れようという話が持ち上がり、 その技術調査や習得の命を受けていました。

HadoopディストリビューターであるClouderaと連携をとったり、前述のサポートエンジニアっぽい業務もしていました。 そんな経緯もあって、先日開催されたHadoop/Spark Conference Japan 2019に参加しました。 詳細は次のエントリーを参照ください。

furusax0621.hatenablog.com

なんで退職するの?

新潟に帰りたかった

私は出身が新潟県で、大学院を修了するまでずっと新潟県にいました。 当然新潟で就職する選択肢もあったのですが、待遇とか環境を考えたらちょっと難しく、 関東にあるITメーカーに就職しました。

とはいえ最終的に新潟に帰りたいという思いはずっと持っていて、何かキッカケがあれば乗っかるつもりでした。 今回思っていたより早いタイミングで新潟に帰る目処が立ったので退職することにしました。

ビジネスの全体を俯瞰したくなった

前職のビジネスは、なんというかすごく分業化されていて、 SI事業においてもSEはプロジェクト統括や基本設計、技術職は自身の担当範囲の開発、など 役割がガッチリ決まっていました(これが当たり前だとは思いますが)。

私はバックアップシステムの担当だったので、バックアップ対象(どのドライブにある何GBのデータか)は把握できますが、 そもそもそのシステムでどんなデータが格納されて、どんなアプリケーションが乗っかって、 お客さんがどういう用途でそのシステムに触れているのか、その全体像を把握することができませんでした。

これは完全に私の性分の話ですが、自分が関わる事柄は1から10まで把握しておきたいんです。 思い返せば学生時代もサークル活動などこういう性分に従って色々首を突っ込みましたが、 この会社でこういう仕事をしたことで完全に自覚しました。 ですので、自分の範囲外の情報を知ったり、手を出したりできない体制がとてもストレスでした。

エンジニアとして人権が欲しかった

ここが、唯一の不満点です。

会社では新人の時にリースしたPCを使用していました。 Windows 7 Pro 32bit、Celeron、RAM 4GB、HDD 500GBというスペックです。 私は開発業務もしていたので、このPCでVisual StudioEclipseを立ち上げ、 Excelを立ち上げ、ブラウザを立ち上げ、メールソフト(会社ではOutlook一択)を立ち上げる必要がありました。 今を駆けるエンジニアの方々なら想像に難しくないと思いますが、仕事になりません。 誤解を恐れずにいうと、エンジニアに人権が無い(とまでは言わなくても)優しくない環境でした。

環境面の不満は挙げたらキリがなく、それを簡単に改善できない会社のルール・慣習が不満でした。

この会社に入って良かったこと

ガッツリ研修をやってくれた

新卒で入社して、1ヶ月間を新人全体でビジネスマナーやマインドに関する研修、 その後2ヶ月をエンジニアの基礎研修と、合計3ヶ月も研修をやってくれました。 学生から社会人になるまでの準備期間を入社後3ヶ月も用意してくれるのは本当に幸せなことです。 新卒として大企業に入社するこれ以上ないメリットだと思います。

配属先に恵まれた

配属先は人事と面談をしつつも、おそらくほぼ会社側の意向で確定します。 今の新人とか次の新入社員がどうなっているかはわかりませんが、私が新卒で入った時はそういう印象でした。 実際、希望と全然違う部署に配属になった同期もある程度いました(私自身そうでした)。

私はよく社内でこの配属を「配属ガチャ」と揶揄していたのですが、 私の配属先はSSSレアと言っても過言ではないくらい恵まれていました。 これは間違いないです。

配属先の部長、チームマネージャー、チームの先輩方、そしてOJT指導者の先輩、全員素晴らしい方でした。 部署が技術集団だっただけに、多くのコア技術を有していたため、私自身が仕事をする上で頼る先、参考にする姿勢がたくさんありました。 仕事の都合上、そこまで業務が忙しくなかったのもラッキーでした。 IT業界は長時間労働が…とよく問題にされがちですが、私自身は年休を取りまくりましたし、残業も全然していません。 詳しい数字は覚えてませんが、2018年度は通年で100時間も残業してなかったと思います。

指導者に恵まれた

OJT指導者の先輩は、私の考えを聞いてがやりたいように仕事をやらせてくれる一方で、 私が至らない部分、失敗した部分にはきちんと指導をしてくれる方でした。 OJT期間はとっくに終わっていましたが、結局先輩には終始頼りっきりでした。 配属されてから退職するまで、その技術力や仕事に対する姿勢は私が目指す目標そのものでした。

新卒で入ってこの先輩の下についたことが、この会社に入って一番良かったことだと思います。 本当にお世話になりました。

(送別会のとき、先輩から「配属されてPCに真っ先にCygwin入れたのを見て、同じ空気の奴だと思った」と言われまいた。そこか…笑)

次の職場について

明日からフラー株式会社というところでサーバーサイドエンジニアとして働きます。

fuller-inc.com

フラーではインフラにクラウドを使用していますが、前職はゴリゴリのオンプレミス屋さんだったので全然環境が違います。 使用する言語も全然違います。今まで習得した知識のほとんどは活きないので、正直不安でいっぱいです。 ただ前職で4年間働いた経験や、学んだ知見、社会人/エンジニアとしての姿勢は忘れず活かしていきたいです。

また、とてもありがたいことに新潟支社配属となりましたので、近々新潟に帰ることになります。

おわりに

新卒で入社して4年間、たくさん学び、経験しました。 月並みですがこの経験を自身の糧とし、今以上に社会で活躍できる人材となれるよう頑張りたいと思います。