たまには楽器ネタ。先日会社の同僚から「そういえば金管楽器と木管楽器の違いが未だによくわかってないから解説して」と言われたので、ここに書き記しておきます。
TL;DR
管楽器って?
金管楽器と木管楽器の違いを述べる前に、管楽器ってどんな楽器を指すのでしょう? 楽器の形状が管(≒筒状)の楽器?実はこれは誤りで、実際は気鳴楽器(空気の塊を振動させて発音する楽器)の一種という定義が正しいそうです(Wikipedia知識)。
なのでどちらかというと吹奏楽器(吹いて発音する楽器)と呼ぶべきであり、その解釈に従うと法螺貝やハーモニカ、オルガンも管(吹奏)楽器です。全然管じゃないのにね、不思議。
金管楽器と木管楽器
さて、管楽器の認識が揺らいでしまったところで、金管楽器と木管楽器の違いはなんでしょうか。
結論から言うと発音原理の違いです。管体の素材はまったく関係ありません!!
金管楽器は「唇を振動させて発音する楽器」と定義されています。金管楽器は自身の唇をマウスピースに密着させ、唇を震わせる(バズィングと言います)ことで発音します。
で、木管楽器はどう定義されているのかというと、金管楽器以外の管楽器と定義されています。雑すぎるだろ、ふざけるな!!って思いますよね。僕もそう思います。 一応書いておくと、サックスはリードと呼ばれる振動体を使って発音するので木管楽器に分類されます。
なぜこんな定義になった?
で、なんでこんな紛らわしい名前になってしまっているかというと、おそらく歴史的経緯とか翻訳の際のどうこうとか、そういうアレです。
金管楽器は英語ではBrass Instrumentsと表現されます。多くの楽器が真鍮製であり、英語での表現も元々は管体の素材が由来になったんでしょう。
では木管楽器はどうかというと…… Wind Instrumentsと表現されます。Windですよ。風、息、空気。木なんてどこにもないじゃないか!!! 多分なんですが、古典的な木管楽器たち(フルート、クラリネット、オーボエ、ファゴット)のほとんどが木製だったことに由来しています。 フルートも今でこそ金属製が主流ですが、昔はほとんどが木製だったと聞きます。
なまじ金管楽器の英語名が素材由来なものだから、和訳するとき対になるように「木管」と名付けてしまったんでしょう。気持ちはわかる。。